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2010年度タンガニイカ湖調査


2010年度は7月中旬から9月中旬までの約2ヶ月間、タンガニイカ湖畔の街、ザンビアのムプルングを拠点に調査を行いました。 他のメンバーは京大の太田氏と、大阪市大のルーキー、田中氏です。 調査は大阪市大の幸田先生のサポートを受けて行いました。 幸田先生、ありがとうございました。


lecture1
2010.8.20撮影
Copperbelt Universityの臨湖実習で授業をしました。



lecture2
2010.8.20撮影
皆まじめです。 授業後は30分くらいの質問タイム。 保全や養殖に関する質問が多かったです。



lecture3
2010.8.20撮影
これは分類の実習。 最初は2コマだけと言われていたのですが、いつの間にか4コマに・・・。 こういうアバウトさも愛嬌です。 おかげで声が嗄れてしまいました。



coxswain
2010.8.29撮影
調査です。 調査地にはボートで行きます。 今年の船頭さんはエミリー。 なかなか気のきくいい奴です。 エミリーの前にあるピンクのバケツはお弁当です。 朝8時頃に家を出て一本潜り、昼ご飯を食べてからもう一本潜り、午後3時〜4時くらいに帰ります。 白いバケツはサンプル用です。 手前に写っているのは潜水機材です。



Wonzye
2010.9.5撮影
Wonzyeというところで調査をしました。 写真中央の、アシに囲まれた岩場から潜ります。



shellbed
2010.9.11撮影
調査地点のシェルベッド。 巻貝(Neothauma tanganyicense、タニシの仲間)の空殻が沢山あります。 水がアルカリなので、溶けずに残るんですね。



shellbed
2010.8.9撮影
これもシェルベッド。 こんなに濁った日もあります。 ここ数年で水が汚くなってきました。



T. temporalis
2010.8.31撮影
私が研究しているテンポラリス(Telmatochromis temporalis)の矮小型です。 貝に住んでいます。 小さいですが大人です(体長4センチくらい)。



N. hecqui
2010.8.31撮影
ヘッキー(Neolamprologus hecqui)です。これもシェルベッドに住んでいます。



N. brevis
2010.8.31撮影
こちらはブレビス(Neolamprologus brevis)。 眼の後ろのオレンジ斑が特徴的。



T. vittatus
2010.9.2撮影
これはビッタータス(Telmatochromis vittatus)。 シマ模様が特徴的。 岩場に多く、シェルベッドでは少ないです。



L. lemairii
2010.9.7撮影
レマイリィ(Lamprologus lemairii)の若魚。 これも岩場の種類で、シェルベッドではまれです。 海水魚のメバル類にそっくり。



L. cunningtoni
2010.8.31撮影
シェルベッドのプレデター、カンニングトニ(Lepidiolamprologus cunningtoni)。 凶暴です。 私が魚の観察をしていると、目の前でパクッ! ひどい奴です。



G. lemairii
2010.8.31撮影
これはグラマトトゥリア(Grammatotria lemairii)。 アジみたいですが、シクリッドの仲間です。 砂の中の虫を探しているようです。 周りにいるのはカンニングトニの若魚。



spiny eel
2010.9.10撮影
トゲウナギ(タウナギ目)の一種。ウナギとは関係ありません。



crab
2010.9.5撮影
カニ(Platythelphusa armata)もいます。 本来シェルベッドには石がほとんどありません。 写真の石は、漁師さんがアンカーとして使っていた石の紐が切れて、置き去りになったのでしょう。



children
2010.9.11撮影
調査の合間、子供がよく来ます。 平日も来ます。 学校は? フィッシャリーの職員に聞くと、学校よりも漁や家の手伝いをさせる方が良い、と考える村人が多いようです。 これでは「貧しい人の子供は貧しいまま」という負の連鎖が止まりません。 親(政府も)の考えを変える必要があるでしょう。 親の都合よりも子供の幸せを。



ship
2010.8.9撮影
タンガニイカ湖はザンビア、タンザニア、ブルンジ、DRコンゴにまたがっています。 それで、このような貨物船が国際貿易を担っています。 ザンビアには海がないので、ここムプルングが唯一の貿易港です。

貨物船について、日本では考えられないことがあります。 なんと、3隻がロープで繋がって、列車のように航行するのです(この写真の船は違うけど)。 エンジンが付いているのは一番前だけで、後ろの2隻は引っ張られるだけ。 世界って広いなぁ。



cooking
2010.8.8撮影
料理用コンロは電気です。 しかし、停電が多いので炭火が欠かせません。 写真はタンガニイカブリーム(Oreochromis tanganicae)というシクリッド。

ムプルング周辺では最近、養殖にこの魚を使うよう指導されています。 ニロチカ(O. niloticus)を飼っていた人がいましたが、この辺にはいない種類です。 湖に逃げれば生態系を撹乱する恐れがあります。 それで、在来種のタンガニイカブリームを使うように水産局が指導しているのです。 またUNDP(国連開発計画)は、環境を破壊する森林伐採や焼畑が、結局は貧困の問題であると考えているようです。 このため、湖周辺での収入源としてこの魚の養殖を推奨しています。 私は、ニロチカよりもタンガニイカブリームの方が格段に美味しいと思います。 良い産業になるかも知れません。



water
2010.9.15撮影
断水のときのために、水をためています。 猫や鶏も飲みにきます。



fishing
2010.8.23撮影
夕方、漁師さんたちが出漁します。 獲物はカペンタ(ニシン科)とブカブカ(アカメ科)です。 漁は8月くらいに始まり、雨季(10月〜4月)に最盛期を迎えます。 この時期になると周辺の村や街から漁師さんが集まってきて、ムプルングは賑わいます。

最近、資源の減少が懸念されています。 地球規模の気候変動が原因とする研究もありますが、 猟師さんたちが目合いの小さな網で稚魚まで獲ってしまうのも、原因のひとつでしょう。 目合いの小さな網は違法です。 しかし、警察もフィッシャリーもほとんど見て見ぬふりをしています。 漁師さんにお金がないのを知っているので、きつくは言えないのでしょう。



beer
2010.9.14撮影
ザンビア産ビール。 モシ(左)は霧のことだそうです。 ヴィクトリアの滝でもうもうと立ち上がる霧をイメージしているようです。 ラベルの絵もヴィクトリアの滝です。 カソー(中)は南アのビールですが、ザンビアでも生産しています。 この二つがそれぞれ6000クワッチャ、110円くらい。 イーゴォ(右)はアルコール5.5%とちょっと濃いめですが、安いです(値段は忘れました)。 ビールを造ったときに出る澱のような、甘い味がします。 (このとき以降イーゴォを見かけなくなったのでタクシーの運ちゃんに聞いたら、もう生産していないそうです。 同様に、ライノなども生産中止になったそうです。 そういえばZambeerというのもあったけど、どこいったのでしょうか? 2014年5月の情報)。



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